銀世界と風の少女

 銀世界と風の少女 松山剛 一迅社文庫 2009年1月1日

銀世界と風の少女 (一迅社文庫 ま 1-1)

銀世界と風の少女 (一迅社文庫 ま 1-1)

☆☆☆☆☆☆
 果てしなく広がる銀色の砂漠。そこは無数の地雷と、異常発達した巨大生物がひしめく世界。そんな銀砂漠を駆け抜ける少女がいた。長く美しい金髪をなびかせ、風のように走る彼女の名はソレイユ。交易のキャラバンを守るためセルバンテス護衛団に所属するマタドールだった。そして、ソレイユの幼馴染イブが行方不明になったことをきっかけに、ソレイユは銀砂漠の謎へと迫ることになるのだった。

 銀色の砂漠を疾走する少女たちの物語『銀世界と風の少女』です。これはなかなか面白かったですね。銀色の砂漠を長い髪をなびかせて疾走するソレイユ、というヴィジアルが結構好き。
 まず、その設定が印象的でした。周りにはたくさんの地雷、頼るのは一本のレールで、異常発達した巨大生物たちをおびき寄せてキャラバンを守るというマタドールたちの設定が面白いですね。ただ、実際そうやって走ってるのはソレイユとイブくらいで、あとは普通に攻撃していたりするのですが(苦笑)。
 ストーリーは割とオーソドックスでしたね。実力、人気ともにあるのに実は内気なソレイユが、関係がぎくしゃくしていた幼馴染が行方不明になったことをきっかけに、砂漠の謎に迫っていくという展開。なにげにソレイユ以外の登場人物たちにも焦点が当たっていて、それが良かったですね。個人的にはロメロとサラの関係が好き。
 ただ、登場人物たちが普通になんの説明もなく超人なので、そのあたりは少し説明がほしかったですね。まあ、素手で巨大生物をぶっとばす「彼女」は素敵なんですけどね(笑)。
 そんな感じで最後まで楽しめました。